友人でもないようなクラスメイトとの特別な時間

友人でもないようなクラスメイトとの特別な時間

彼女との出会いは、塾で一緒になったことでした。

 

同じ学校で、同じ地区の出身。たまたま取っている講義も一緒だったので、自然と帰り道を一緒に帰ることになっていました。
会話と言う会話もしたことがなかったけど、幼稚園の頃から同じだったことは知っていました。
だからか、自然と口が動いて、本当に取りとめのないことを話せました。途中の自販機で自転車を止めて、あったかいコーヒーを飲みながら喋ったり、途中の公園前で自転車を押しながら会話しました。
でも、学校で話すことは一切なかったのです。
塾で一緒になる前までも、学校で話すことは本当になかったから、別に普段と変わらない学校生活ではあったんだけど。

 

塾の帰りだけ一緒に帰る、そしてその時だけお互い気兼ねなく話せる。そんな特別な時間だった。

 

俺は彼女を意識していたんだろうか。彼女は俺のことを特別に見ていてくれていたんだろうか。

 

今となっては、そんなことは知り様がありません。

 

結局、彼女とは、高校を卒業するまで学校で会話することはなかったし、最後の講義の日の帰り道も、「お互い頑張ろう」という言葉で励まし合って、帰路につきました。

 

勉強をしているとき、たまにふと彼女のことを思い出す自分がいます。

 

連絡先も交換しなかった彼女のことを、帰り道のあのときだけ親しく笑い合った彼女のことを、今でも思い出します。